わぁ




学祭のフリマで買った推理小説「神のマジック 人間(ひと)のマジック」(西澤保彦著)をやっと読み終わりました。
推理小説というジャンルですが、探偵とかが出てくるわけではないです。


学校と呼ばれる施設の空間のなかで、犯人当てゲームをただただこなす<ぼくら>
朝鏡を見たときの違和感。 全員の共通した不可解な記憶喪失。 なくなるスナック菓子。
そしてひとりの新入生が現れるとき、学校にいる「邪悪なもの」を目覚め、学校の秩序が崩壊していく。


緻密に張り巡らされた複線と、それがするすると解けていくクライマックスは息をのむ。



十人十色。ひとにはひとのファンタジーが存在する。自分の物語。自分だけの物語。生きている限りは、
「自分」が主人公であるファンタジーを持ち続けている。そして知らず知らずそのファンタジーを他人に押しつけながら
私たちは生きている。自分の領域を侵された人間はどういった行動をとるだろうか?


そして愛というお互いのファンタジーを侵略しあうような感情。
しかし人間は一人では生きてはいけない。


なかなか考えされられました。